金谷, 2004 和訳先渡し授業の試み

 去年の今頃、参加した語研のワークショップでお話をしてくださった金谷先生の本。遅ればせながら読んでみた。「和訳先渡し」というちょっと刺激的な語が先走りしているけど、なんのことはない、和訳をしないで空いた時間に何をするか、が問題なのよね。でも、同書は、和訳先渡しの利点・導入方・効果・懸念・その裏にある理論、等々、現場の先生にもわかり易く、かつ研究者にももの足りないと思わせない書き方がしてあって、読んでいてなかなか面白かった。
 高校で教えていた頃は、本当に何の疑問も無く訳読をしていたなぁ…と、今更ながら恥かしい思いも。それでも、生徒があまりに和訳に固執するので、訳を配布しようとしたら教務主任に「和訳は配らないで下さい、生徒が授業を聞かなくなりますから」と言われたのを覚えている。この本を読ませてさしあげたいわ……。
 リーディング研究をするときになったら、購入して手元においておこうかな、と思った一冊。とりあえずは図書館で!高校英語教育を変える和訳先渡し授業の試み