Bitchener, Young, Cameron. 2005.
The effect of different types of corrective feedback on ESL student writing.
Journal of Second Language Writing. 14. 191-205.

FBタイプ
1.direct, explicit FB + student-teacher 5 min conference(19人)
2.direct, explicit FB only(17人)
3.no corrective FB(17人)
エラータイプ=前置詞、過去時制、定冠詞(この3つが最頻出のエラーだったためp197)
被験者=移民(ESL)53人。12週間のトリートメントのあと、new pieces of writingをみる。3の統制群にも、構成や質に関するコメントはあった。
被験者内要因=linguistic error at three levels(前置詞、過去時制、定冠詞)と時間(week2, 4, 8, 12)
被験者間要因=FB at three levels(上述の1,2,3)
この二つに関して、被験者はいずれも、quantitative valuable(=accuracy performance)に関して調べられた。accuracy performanceは、Target linguistic formを正確に使用できている割合で導き出された(例:定冠詞のobligatory occasionが10あった場合、3回正確に使用できていれば、30パーセント、とする)。分析には、2way, repeated measure ANOVA が使われた。
結果: 前置詞に関しては、FBタイプグループごとの平均値に有意差はなかった。しかし、FBタイプと時間の相互作用をみてみると、4つの時間(week2,4,8,12)に有意差があった。特に、group1(direct, explicit FB+カンファレンス)のweek8と12の間の変化が、他のグループと異なってaccuracyが伸びていた。過去形に関しては、FBタイプごとに見てみると、group1がgroup2よりも有意に高い平均値だった。しかし、時間との相互作用をみてみると、変化はなかった。つまり、時間はどのFBタイプが有効かに関わっていない。定冠詞に関しては、group1がgroup3よりも有意に高い平均をだしていた。時間との交互作用は無し。
ディスカッション:3つのタイプのエラーを融合して考えると、FBのタイプはaccuracyに有意な影響を与えなかった。一方、過去時制と定冠詞に関しては、explicit written FB +カンファレンスというFBタイプが、accuracyの有意な向上につながった。前置詞に関してはこの限りではなかったが、これは前置詞のもつ性格によるものと思われる(前置詞は、simpleなルールを覚えればいいというものではなく、前置詞の使用はかなり複雑idiosyncraticなので)。また、学習者のimprovementのパターンはlinearなものではなく、これは学習者がL2を獲得していくのにup & downがという言語習得の発達段階を考えれば納得のいくものである。