The Relationship between Verbal Teacher Immediacy Behaviors and Student Learning.
Communication Education, 37.

教育心理学からの論文。教師のimmediate non-verbal behavior (smiling, vocal expressions, movement about the classroom, and relaxed body position)は、生徒の良いaffective/cognitive learningにつながる、とされている。本研究では、同様に、verbal behaviorにおけるimmediacy も、良い学習結果を生み出すのか、また、良い学習結果につながるようなverbal behaviorとは何かを探ることを目的としている。
 先行研究によると、タスクに取り組むに際し、ポジティブな結果に関して述べている教師のほうが、失敗するなどのネガティブな結果を言及した教師よりも、生徒にimmediateと感じられていること、そしてparticular set of power messageがincreased learningにつながることがわかっている。本論文では、これらの先行研究をふまえて、高い教育効果を持つeffective teacher像を浮き彫りにすることを試みる。
 RQ①To what extent are student perceptions of individual types of verbal teacher immediacy behaviors associated with learning? RQ②To what extent are student perceptions of teacher verbal immediacy behaviors collectively associated with learning? ①生徒による教師の個々のverbal immediacy behaviors(それぞれ)の認識が、どの程度学習に関係するか?②教師のverbal immediacy behaviorが集合的に、どの程度生徒の学習に関係するか? ①と②の違いは、個々の行動の影響と、行動を集合的に見て、その影響、ということ。
 被験者387人に授業を受けてもらい、その後被験者(生徒)が教師の行動を、評価する。 verbal/non verbal immediacy behaviorsのリストのそれぞれの項目について、「(その行動が)なかった= 0 → 頻繁にあった = 4」という評価をしてもらう。学習効果に関しては、cognitive learningの観点から、「生徒が、自分がどれくらい学習をしたと思っているか」(0-9段階で、どれだけ学んだかを自己評価)と「もしも教師が理想的な教師だったら、この授業でどれだけのことが学べると思うか」とした。他に、情意面を測定する尺度評価もあった。
結果は、immediacyとlearningの間には密接な関係があった。相関はα=0.01でどの項目も有意にあり、immediacyを独立変数、learningを従属変数にした重回帰分析も、多くの項目で有意となった。個々の行動も、learningにつながっており、また全体としても(言語的な行動と非言語的な行動が相互に作用しあって?)影響をしている。特に大事なのは ①教師のユーモア ②student’s work, comment, actionに対する教師の賞賛 ③授業内外で生徒と関わりあおうとする教師の姿勢 ④教師が個人的な話を例などに用いる ⑤生徒の発言を促すような質問 ⑥‘our’class, ‘we’などの語の使用 …と続く。
言語・非言語のimmediacy behaviorは情意面の38.5パーセントを説明する変数になっており、生徒による教員への評価の35パーセントを説明する。「同じcontentのコースを今後選択する可能性」も23%説明することになっていることは、教師のimmediacy behaviorsが生徒の学習意欲(つまりmotivation)にも影響を与えているといえるのではないだろうか? また、概して非言語の方が影響力が大きく、これまた概してクラスサイズが大きいほど影響も大きかった。
まあ要するに、教師が生徒と綿密に接しようと様々な努力をすると、生徒の方も教師や授業を肯定的に受け止めるようになってくれて、学習効果もあがるっつーことだな。これが動機づけにもつながるか、というのが私の知りたいところ。結果の一部に、つながる、とする文章があったで、ここを引用可?