Waters, A. and Vilches, M. L. 2000. Integrating teacher learning: the School-Based Follow-up Development Activity. ELTJ 54(2) 126-134.
教員研修は教員にreflectionや教授知識・技術を提供する機会を与えはするが、研修で得られた要素が実際のclassroom teachingに反映される割合は意外に低い。そこで、著者らは、教員研修の持つ利益を最大限のものにするために(研修が実際のclassroom teachingにちゃんと反映されるように)、SFDA(School based follow-up development activity)を開発し、本論文中でその詳細を報告している。その方法とは…。
オリエンテーション:研修の最後に、参加教員は自分でアクションプラン(action researchのプラン)を作成する。ELT line managerにそれを見せて、feedbackをもらう。リサーチデザインはtriangulated (teachers’ log or diary / a learner’s questionnaire / an observers’ check-list). オブザーバーは、ELTマネージャーではなくアクションプランを遂行する教員と同じ立場の教員であり、あくまで客観的に教師を観察するのがその任務であり、judgeするわけではない。
②エクスキューション:アクションプランの実施(準備−遂行−レビュー−フォローアップ)。フォローアップでは、学科長にアクションプランに関するコメントをもらう。で、その後職場の仲間とも結果を分かち合う。こうやって、職場の上司・仲間を巻き込むことにより、教師1人のアクションプランがschool-basedになる。その後、セミナートレイナーとELTマネージャーからのフォローアップもあり。

この結果、教員が研修で得たことを実際のclassroom teachingに活かせるようになっただけでなく、overall teaching competence、professional self-esteemも上がり、自分自身の教授力もより系統だち、システマチックになった、と報告されている。working relationも向上。

感想:そりゃあ、こういうシステムはないよりあったほうがいいに決まっている。しかし、日本の学校教育の現状を考えると、教師の立場に立つと、この様なシステムを導入しようとすると、「まーた仕事増やされるんかい」と思う教師が多いのではないだろうか。教師の負担が重い今、とりえあず教師の負荷を減らしてから、教師1人1人のteachingの質をあげる手立てを講じるべきではないだろうか。