Oxford & Nyikos, 1989.
Variables Affecting Choice of Language Learning Strategies by University Students.
MLJ 73 iii

successfulな言語学習者は様々なストラテジーを効果的に使用する。ストラテジーを上手く使うことは、学習者が学習をコントロールできることにもつながり、leaner autonomyの涵養にもつながる。では、学習者が様々な学習ストラテジーを採用・利用することに影響を与えている変数はなんだろう。この論文は、学習者のストラテジー利用に関連する変数を探ることをその目的としている。
被験者は大学生1200人。学習言語は仏、西、独、露、伊語。言語学習のストラテジーに関する質問紙調査(Strategy Inventory for Language Learning, SILL)を使用。RQ:①学生はどのようなストラテジーを使用しているか? ②これらのストラテジー使用に影響を与えている変数は(性、コースの地位、動機付けのレベル、など)? RQ①の結果は割愛。②の結果は以下の通り。
変数として想定したのは、自己認識している動機付けの強さ、自己認識している言語能力、科目が必修か自由選択か、目標言語の学習年数、性、専攻。分散分析の結果、これらの中で、ストラテジー選択とストラテジー使用に最も影響を与える変数は文句なしに動機付けだった(α=0.0001)。動機付けが高ければ、様々な種類のストラテジーを、より頻繁に使う。他の変数に関しては割愛。
 単純に動機付けが高いからストラテジーをたくさん使っている、などとはいえないだろうけれど、言語学習における動機付けの影響力の大きさを表すことにはなるんじゃないかな、というのが感想。ストラテジー指導に関しては、それ自体も重要だけど、生徒に主体的な役割を担わせたストラテジー指導をしていきたいなぁと思った。