Noels. 2003
Leaning Spanish as a Second Language: Learners’ Orientations and Perceptions of Their Teachers’ Communication Style.
Language Learning 53 supplement 1
同じくSDTの枠組みから動機付けをみる。特に、intrinsic/extrinsic motivationと、integrative orientationの関係を探る。また、同時に教師のcommunicative styleを生徒がどの様に認識しているかによって、生徒の動機づけの種類がどの様に違うのかを検証。
被験者は322人の英語L1,スペイン語L2の学生。intrinsic/extrinsic orientationやintegrative orientationなどを測る質問紙に加え、Gorhamのteacher immediacyを生徒がどの様に認識しているかを調べる質問紙などを使用。
まずは、生徒が教師・autonomy・competenceをどの様に認識しているか と、彼らのintrinsic/extrinsic orientationの関係を評価するためにpass analysisが行われた。結果は、教師がcontrollingだと、生徒のself-perception(autonomy)が下がる。教師がinformative feedbackをしていると生徒のself-perception(competence)が上がる。teacher negativityやteacher controlの間にはintercorrelationがあるので、例えばteacher negativityが生徒に直接関係する有意なパスがなくても、それは間接的に生徒に何らかの影響を与えていると言えるだろう。また、autonomyがあると生徒が認識していると、彼らのintrinsic/identified regulation orientationが高い。autonomyを感じていればいるほど、amotivationは低い。
一方、integrative orientationは、intrinsic/extrinsic orientationのいずれとも有意な相関があったが、intrinsic/identified regulationとの相関が最も強かった。要するに、self-determinationが強い要素と、integrative orientationがより深く関わっている。生徒が「楽しくて興味があるので言語を習いたい」「言語学習そのものに価値がある」と思っていると、生徒の統合的動機付け「L2コミュニティーのメンバーと交流したい」が高い。しかしながら、このことはintrinsic orientationとintegrative orientationが同一のものであることを示すわけではない。
implicationとしては、教師はpositiveでuncriticalな方法でフィードバックを与え、自立学習の機会を提供しなければならない。そうすることにより、生徒のperceived competence, ひいてはmotivationがenhanceされることになる。教師に「教えたい」という熱意があっても、でしゃばりすぎて生徒にautonomyを与えないというのは良くない。

感想:昨年11月にも一度読んだ論文だけど、その頃に比べると、だいぶ理解ができた。特に修論に関係のある、教師とmotivationに関しても詳細に述べられていて、参考になった。