Fahimeh Marefat, 2002, The impact of diary analysis on teaching/learning writing. RLEC J. 33, 101-121.
学習者が自己内省をしてダイアリーを書くことの効果を検証した論文。ダイアリーは、学習者がcritical thinkingをし、学習者のawarenessを高める。プロダクトを見ただけでは計り知れない、ライティングの学習のプロセスを明らかにする。
RQ:ダイアリーによって、プロダクトを見るだけでは見過ごされていた「プロセス」がわかるのだろうか? 生徒のダイアリーを分析することによって、教師はどの様に自分のteaching condition、生徒のlearning conditionを改善できるか? 
方法:EFL大学生。授業の最後に10-15分、reaction to class eventをダイアリーに書いてもらう。あらかじめ、ガイダンスを与えておく(p.107にガイダンス文あり)。初回のダイアリーを書いた後に、その中から見本文を読み、説明を補った。
考察:教師(著者)は生徒のダイアリーを読んで、生徒がどの様な点を困難だと感じ、どの様な点を面白いと感じているかがわかった。生徒は、ダイアリーを書くことにより、自分がどの様にして学習していくかというフレームワークを得ることになった。問題点(改善の余地)としては、①短くsuperficialなダイアリーが多かった→intensive trainingが必要。②生徒が飽きることがある。書く要素を時々かえるなどして、飽きのこないようなつくりにする必要がある(→毎回やる必要はないかも?)。③生徒は文法的正確さにこだわっていなかった。書くことによる生徒への恩恵は、自信がついたこと、フリーライティングなどが気軽にできるようになったこと、など。この際、文法は気にしなくていいよって最初に言っておこう。④対話形式のダイアリーにすると、もっとuseful research toolになるかも。
感想:ダイアリースタディの利点はよくわかった。でも、この様な質的な研究を読んでいると、いつも思うのだけれど、データの見せ方が、なんだかただの個々のデータの羅列になっていて、いまいち説得力がない。もうちょっと効果的なqualitativeデータの見せ方はないものだろうか。